もういいや

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もういいや

 早合点かも知れませんが  わかった気がしました。  神様が思い描いた愛情は  私には生めません。  そういうわけで  私が死んだら  永遠にお別れでしょう? 神様。  永遠の国で  気の合う人たちと  どうかお幸せに。  永遠の国に  行きたくなかったわけではありません。  もう一度会いたい人たちもいますが、  しかたありません。  永遠の国に行くためには  私は嘘をつき続けなければなりません。  そんな人生はいやです。  さようなら  ひとときの夢をくれた方。  あなたがくれた夢について考えることで  厳しい時を乗り越えることができました。  残りの人生は  自分のために生きたいと思います。  恩知らず?  いやいや、  ですから、  永遠の国は  私にとって生きずらそうなんですよ。  私は  小学生の頃に憧れた妖精に会いに  いつか ある国に行きます。  その国では  国民の60%以上が  妖精を信じていて  目撃談も多いと聞いています。  そんな国に行けたら  空気を吸えたら  それだけでも十分です  死ななくてよかったと  はじめて思うでしょう。  死ななくてよかったと思ってから  死にたい  死ななくてよかったと思えたら  もういつ死んでもいい  あなたから人への  最大の贈り物  永遠の命は  いらないんです。  もともと  プレゼントぎらいですしね。  いつかさよなら  私たちは  性格の不一致というやつですね、きっと。  世界の支配者になる方との  性格の不一致。  致命的ですよね?  なんでしょうかね  なんだか  寂しい気持ちです。  それでも 私は  私をねじ曲げたくありません。  私の心が本当の自由を得た時には  もしかすると  あらためて聖書を開くかも知れません  あるいは、  そのためのさよならかも知れません  だから  ………そっとしておいてください。  私に宗教はいりません。                  了
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