春の詩

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(今日こそ、話しかける)  凛は誓っていた。  桜の方へ足を踏み出した、そのとき―― 「――りーんちゃーん!」  友だちの美桜(みお)の声が聞こえて、あわててふり返った。  隣には、愛梨(えり)もいる。  ちらりと少女をふり返ると、凛は美桜たちの方へ駆け出した。  凛は――気づかなかった。  少女が、凛を見つめていたことに。  卒業まで――あと六日。
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