プロローグ

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 朝が来ないでほしい、いつまでもこのまま一緒にいたい。わたしと付き合ってほしい。素直にそう言えればいいのだけれど、その一言が言えないでいる。  ガクガクと揺さぶられ、荒い呼吸を感じながら、このあいまいな関係をなんとかしたいと考える。  「なに? 考えごと?」  「えっと……その……あんっ!」  「俺としてるときに、他のこと考えるなんて、許さないから」    ぐさっとあおちゃんのけものが、わたしを奥まで突き刺す。いやいやと首を振っても、さらなる律動を加えられて、たまらず口に拳を当てて声を抑える。  あおちゃんにちゃんと、付き合おうって言わなきゃ。わたしたちもう27だよ? 誕生日がくれば28になる。結婚だって……頭の片隅では考える。  その相手はあなたがいい。あおちゃんじゃないなら誰とも結婚なんかしたくない。  高みに昇りつめながら、あおちゃんの背中を掻き抱く。あおちゃんは腰をわたしの奥で震わせて、どさっと被さってきた。  わたしのこと離さないで、いつまでもあなたの胸で眠らせて──  
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