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タケさんは、本当に細かなところまで私の世話を焼いてくれた。屋敷の掃除のやり方から、昔ながらの遊びのやり方。それと、一緒に霊山に山登りにも行ってくれた。二人で過ごす時間は、苦しかった人生を取り戻すほど――否、掻き消してしまうほど楽しいものだったと言える。
神様だから、私と一緒にいても大丈夫。
私もいつか、彼等と同じ神様になることはできないだろうか。そうしたらいつまでも、永遠にここで共に過ごすことができるのに。――そう思っていた、ある日。
決壊は、突然訪れたのである。
「た、タケさん!?」
タケさんが、突然倒れたのだ――血を大量に吐いて。
私は真っ青になった。喀血、強い胸の痛み、痙攣。その症状には覚えあがったからだ。
そう、私が今まで呪い殺してきた人間たちと、同じ。
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