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設定・作中用語(五十音順)
【あ】
【亜人】
人類諸族のなかで、人間種以外の種族を指して言う言葉。差別的表現であり、現在では過激な人間至上主義信奉者以外は使わない。
【淡海県】
作中における日本の行政局のひとつ。本州の太平洋岸に位置する。県庁所在地は河都市。年中温暖な気候で知られており、農業、漁業がさかん。人口に占める獣人種の割合が多いことで有名である。
【淡海灘】
龍神川の河口域に広がる海岸地帯。古くから景勝地として知られ、およそ200年前の歌人、狩野冬寂により詠まれた句「白南風を 寄せて雲立つ 淡海灘」は有名。
【異種族恐怖症】
自分以外の種族に対し恐怖感や嫌悪感を抱き、日常生活を送ることが困難になる精神疾患。ゼノフォビアとも呼ぶ。従来の対処としては、同一種族のみが暮らす特別区で生活させることが通例であり、日本にも数ヶ所に隔離都市が点在する。近年になり、認知、行動療法により改善する事例がみられていると言われているが、研究は進んでいない。
【異種族偏愛症】
自分以外の種族に対し恐怖や嫌悪感をまったく持たず、過剰な愛着や愛情を示す状態。ゼノフィリアとも呼ばれる。獣人とくに犬狼族に心理テストを行わせると、これに該当するらしい。多種族共存を掲げる河都市では問題視されていないが、人間至上主義を掲げる地域では差別の対象となりうる。
【か】
【嗅覚判定士】
嗅覚を用い、犯罪現場に残された血痕の種類や取り調べにおける容疑者の感情把握や虚偽の知覚、あるいは付近に潜んでいる生物の種類を特定する知識、技術を有することを示す資格。保持者の大半は犬狼族や猪族、熊族、鼠族などの獣人種である。
【キルケーウイルス】
レトロウイルス科に分類されるウイルス。名は人間を動物に変える魔女に由来する。通常は高等生物の細胞内で、細胞小器官に擬態あるいは核に同化する形で存在しているが、ごくまれに変異を起こし、他の個体に接触感染や空気感染を引き起こす。この際、元の宿主の遺伝情報を他の生物に伝播させる、すなわち水平伝播を介在することが生物学者である狭藤三千晴らの研究により明らかになった。獣人などいくつかの種の誕生にも関与していることが示唆されている。
【獣よけの香水】
異種族恐怖症の人々が好んで用いる香水。獣人が苦手とする調合を意図的に施してあり、匂いで感情を読み取られることを防止するために使われている。人間至上主義を掲げる団体である『真なる人の会』などが研究開発に携わっている。
【犬狼族】
獣人の一種であり、イヌ科に属する動物に似た姿や特徴をしている。犬や狼だけでなく、狐や狸などに近い容姿の者もここに含まれる。獣人の中でも最も数が多く、また、人間とのかかわりも最古と言われている。社会的には人間種に次ぐ、あるいは人間と遜色ない地位に就いている場合も少なくなく、他の獣人からは「名誉人間種」などと揶揄されることもある。
【河都市】
淡海県の県庁所在地で、人口100万人あまりの政令指定都市。千年近く昔に、権力争いによって京の都を追われた獣人と人間からなる武士の集団が興したとされる。現代でも様々な人類の構成種が暮らしていることから、日本における多種族共存のモデル地域としての一面も持つ。市内は太平洋へと流れ込む龍神川が街の中心を貫き、京の都を模した古くからの街並みが広がる西地区と、半世紀の間に急激な都市開発が推し進められ、近代的なビルが立ち並ぶ東地区に分けられる。西と東の住民は良くも悪くも対抗意識が強い。どちらも中心部は都会的だが、少し郊外に出れば山林の間に田畑が点在する田園地帯となる。
【さ】
【サピエンス】
人類の別称。マンカインドに代わって公的な文書などではこちらが使われる傾向にあるが、さほど世の中には浸透していない。こちらの言い方にしても「傲慢である」と主張する人もいるので面倒くさい。
【獣人】
人類を構成する種族のひとつ。人間種についで数が多い。直立二足歩行の動物のような姿をしており、それぞれ犬狼族、猫虎族、熊族、猪族、牛族など姿にちなんだ名で呼ばれる。学名はTherianthrope Sapiens(セリアントロープ・サピエンス)。受胎率は下がるが、姿の違う者同士、たとえば犬狼族と猫虎族の間にもどちらかの親の特徴を有した子供が生まれる。また、それ以上に低確率ながらも種としてかけ離れている筈の人間種との間に子を成した事例が見受けられるなど、謎が多い。種の誕生にキルケーウイルスが関与していることが示唆されている。実際、感染能力を有したキルケーウイルスに暴露しても、異常行動を引き起こすことが少ないなど耐性があることが明らかになっている。
【人類】
知能を有し、言語を主体としたコミュニケーションを可能とする生物種の総称。人間および獣人が構成種族の大半を占め、それ以外の種族は少数種族とみなされている。
→サピエンス
→マンカインド
【た】
【龍神川】
河都市の中央を東西に分断する形で流れる河川。かつては『暴れ龍神』と呼ばれるほどの治水の難しさで知られていた。河を境に分かれた西地区と東地区の古くからの住民は、良くも悪くも対抗意識が高いことで有名である。
【な】
【人間】
霊長目ヒト科ヒト属に分類される生物種で、人類を構成する種族のひとつ。生物学的な特徴は現実世界(これを読んでいる我々)の人類とほぼ同じ。
【人間至上主義】
人間種すなわちホモ・サピエンスだけが真に人類と称されるにふさわしい存在であり、その他の、たとえば獣人などは人間より劣った亜人とみなす思想。ヒューマニズムとも呼ぶ。
【は】
【防衛隊】
かつて全世界を戦禍に巻き込んだ大戦からしばらくの後、防衛隊法に基づき日本の平和と独立を守り、国の安全を保つために設置された部隊および機関。現実世界における自衛隊とは名称が違う以外はだいたい同じ。
【ヒューマニズム】
人間至上主義の別称。
【ま】
【マンカインド】
人類の別称。マンは男性形であり、女性を含んでいない差別的な言葉であると主張する人々もあり、近年では公的な文書などではサピエンスが使われる傾向にある。
【や】
【ら】
【わ】
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