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「皇妃様、わたくし達は呼び捨てにしてください。敬称を付けるのは、自分より身分が上の方と海外のお客様に対してだけです、お気をつけくださいね」
「分かりました…いえ、分かったわ…」
リーゼロッテは戸惑ったが、カペラは親切で教えてくれたし、ルツは元気があって手際もいいしと前向きに考えることにした。
「それでは何かございましたら、ルツにお申し付けください。わたくしは太后様の身の回りのお世話がありますので…」
「どうもありがとう…」
ルツを残し、カペラは部屋を出て行った。
少し厳しい感じのするカペラだが、きっと侍女を纏めたりするので、きちんとしているのだろうとリーゼロッテは思った。
「さて皇妃様、今日はどんなお召し物をお望みですか?」
「えぇと…風通しが良くて、涼しげな色の服がいいかなと…」
「だったら、このワンピースがよろしいかと思いますよ。かなり薄いバイオレットカラーですし、見た目も軽やかですし」
「本当に涼しげね。これを着たいので、お手伝いをお願いします」
「そんなに遠慮しないで、普通にしてくださっていいんですよ?皇妃様、わたくしも自分のことを私って言ってもいいですか?つらいです…」
「そうよね、ごめんなさい。普通にしてくれていいのよ。私もその方が嬉しいわ」
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