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継母であっても、ラシードに愛情を傾けてきたのだと思うと、リーゼロッテも義母として慕うのが当然だという気持ちになった。
「お義母様、ご挨拶が遅れて申し訳ございません。これからよろしくお願い致します」
「良い心がけですこと。殊勝な子はわたくしも好きですよ」
「ありがとうございます」
「母上…食事の時くらい、ゆっくりさせてくれませんか?いつもはご自分の部屋で食事をしていたでしょう?」
「あら、わたくしも新しい家族と会ってみたかったのよ。こういう時しか顔を合わせる機会もないでしょうから」
気まずいが、さすがに親子の会話に口を出すワケにもいかず、リーゼロッテはスープとサラダとパンだけは完食して、二人に礼をして食堂を退室した。
ルツに厨房まで案内してもらい、その場にいた執事長のエルンストと料理長のジンナー、カペラに料理のことを訊いてみる。
「残った分は元は私達がリメイクして賄いにしていたのですけど、陛下と太后様が禁止してしまったので廃棄処分ですね」
「もったいないです!廃棄するなら、残った分は私達のお昼や夕飯に回してください!ダメなら、アレンジやリメイクで出してください!」
「しかし、陛下や太后様、皇妃様に残り物をお出しするワケには…」
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