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王子も淑やかでしっかりしたリーゼロッテより、自分にただただ甘えるだけのアンジェが可愛くて仕方ないらしく、王子とアンジェの破廉恥な噂は嫌でも耳に入ってくる。
実際、学校でも公認だった二人が、聖女によって引き離されたと好奇の目に晒されて、リーゼロッテは学校に行くのが苦痛だったが、完璧主義な性格が災いして、気合いで通い続けた。
逆に王子とアンジェは休みがちになったが。
そんな感じの毎日では卒業パーティーのエスコートを頼めるはずもなく、リーゼロッテは両親に余計な心配をかけまいと嘘をついてしまったが、卒業パーティーには父親もきてしまうので、リーゼロッテの嘘は無駄になってしまうことになる。
しかしまだ婚約破棄はされていない。
ならばパーティーのエスコートは形式だとしてもやってくれるだろうとリーゼロッテは考えている。
卒業式前日になっても、とうとうアルフレッド王子は姿を見せず、リーゼロッテも焦り始めた。
(困ったわ…。アルフレッド様がここまで馬鹿だったなんて。今更パーティーも欠席できないし…)
卒業パーティーは学友達と過ごせる最後の時間で、パーティーの翌日には結婚したり、結婚の為に遠方に行ってしまう貴族令嬢ばかりなので、パーティーには絶対参加しようと決めている女子生徒は多かった。
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