無価値な人生

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 そもそも、中学生になっても一緒にいる生徒は小学生の頃とほぼ変わらないし、悪いことをしたら先生に怒られる。  ちょっと規則が緩くなった気もするが、中学校はスマートフォンの持ち込みが禁止であり、チックトックから感じ取れる高校生活に比べれば全く緩くはなかった。  何より、給食が不味い。なんだこの、残したら先生に白い目で見られる感じ。実際先生がどう思っているのか分からないけれど、給食という制度がなかったらそもそも先生にどう思われているかなんて心配しなくて済んだ。給食制度から、早く抜け出したい。  三年後、ついに願いが叶う時がくる。  僕は、中学校を卒業した。  同時に、母に「大学に入ったら勉強しなくていいから、高校までは頑張りなさい」と言われた。  なんでこのタイミングで言うのか、と不満に思ったが、言われたという事実をねじ曲げることはできない。  結局は大学生になるまで勉強をしなければならないのか、と悲しくなった。  早く大学生になりたい。  高校に入ってすぐ、僕はそう思うようになった。
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