可愛い恋人

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可愛い恋人

 やっぱり俺がトカゲで璃人は猫だな。と思った。  それもいいかもしれない。  振り回されるのが本来嫌いなのに、璃人だと楽しく感じてしまうのは何故だろうと不思議だけど、それが璃人の魅力なんだろう。  カマちゃんが元彼じゃないことも分かったし。  あ、でも。 「……付き合ってたわけじゃないのなら、なんでカマちゃんは泊まったの?」 「締切に間に合うように見張り役。因みに釜やんね」 「璃人が眠らないように?」 「可愛い管理人で遊ばないように」 「ぶっ!」  ぷぷっと首を竦め、いたずらっぽく笑う璃人に俺もニヤリとしてみせる。 「そっかぁ。じゃあこれからは俺がスケジュール管理をしてやるよ。そういうのは大の得意だから。締切前に原稿を上げてカマちゃんに渡せば泊まることもないよね?」  璃人の顔が引きつる。 「やっぱり、お仕事バリバリ系? 怖いんだけど。ってか、さっきからわざと名前間違えてるでしょ」 「あはは! スパルタがいい? 褒めて伸びるタイプ?」 「是非後者の方で」  苦笑いする璃人の唇にチュッとキスする。  途端に甘えるみたいに俺の首に腕を回してくる璃人。  可愛いキスを、大人なものにしていく。  数回俺の唇に優しく吸い付き離すと、璃人は鼻先をくっつけ、至近距離で言った。 「釜やんにはちゃんと言っとくよ。管理人さんとは付き合ってるから空気読んでねって」  そっか、知らなかったのか。 「是非そうしてくれ」  璃人の口調を真似てキスを再開する。  頬を包み、指先で耳の皮膚をそっと撫でながら口内へ舌を差し込み甘い唇を堪能した。 「ん……」  鼻から漏れる甘い吐息。璃人のスイッチが入った。
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