NEWグッド・ジョブ媚薬 3部 NY編

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「はい」 「ペンシルバニア州フィラデルフィアは私の故郷よ」 「そうなんだ、でもお父さんはラスベガスですよね」 「はい、ラスベガスの麻薬取締局DEAで 働いていているけど ママと弟はフィラデルフィアよ」 「DEAか・・・日本にも作った方が良いかもしれない」 麻薬を心から憎む日本にも麻薬取締局の 必要性があると亮はつぶやいた。 ~~~~~~ 亮とジャネットが席に戻るとみんなの 話が弾んでいた。 「そうだ。プレゼントがあります」 亮はシンディとモニカとケイトに 小さなケースを渡した 「うれしい」 三人は包み紙を取るとシンディが うれしそうな顔をした。 「口紅ね、素敵な色だわ」 「これスーパー口紅です」 「何?」 「キスをした相手がメロメロになってしまう 口紅です。大事な時に使ってください」 亮はモニカにウインクをした 「メロメロって?」 「はい、具体的に言うと口紅に母乳に含まれている オキシトシンホルモンと同じ成分が入っています」 「はいっ?」 「つまり、男性がこの口紅を塗った女性とキスをすると 好きになってしまうんです。 しかも、保湿成分が入っていますから プルプルして魅力的な唇になります」 「本当、ありがとう」 三人は喜んで亮に抱きついた。 「そんなにうれしいの?超人気のスーパーモデルなのに」 亮が驚いて質問するとシンディは微笑んだ 「女は100万人のフォロワーよりも 一人の愛する男に愛されたいのよ」 「亮これ、いくらで売り出すの?」 ケイトが真顔で亮に質問をした。 「まさか、そんなことしたら女性が 世界を支配してしまいます。あはは」 「あら、その方が良いかもしれないわ。 女が大統領になれば隣国に侵攻しないし プロパガンダなんてしないわ、世界が平和になる」 シンディが笑いながら答えた。 「そうか、なるほど。そりゃいい」 亮は腕を組んで真剣な顔をして考えた。 「亮、私たちには?」 ジャネットが亮の手を引いて聞いた。 「ごめんジャネット、持っていない」 亮は手を広げて謝った。 「良いのよ、私たちは声が出る薬を 作ってもらったんだから」 ブルックがすまなそうな顔をして返事をしても ジャネットは未練がましく聞いた 「それよりいつの間に口紅・・・」 ジャネットが首を傾げ呟いた。 「亮、もし出来たら・・・・」 「はい、わかっています。荷物の中に入っているので 明日渡します」 「本当、うれしい」 ジャネットは喜んで亮に抱きついた 「ジャネットそんなに男に飢えているの?」 亮が淡々と聞いた。 「はいっ?そんな事ないけど・・・でも・・・」 ジャネットはその口紅を亮に使ってみたかったのだった。 六人はデザートを食べ終えしばらく話をした後に ケイトが亮に小声で話した。 「亮はこれからどうするの?」 「シンディと話があります」 「そう」 ケイトはさびしそうな顔をした。 ~~~~~~~~~ バーでジョージとロイが会って 二人は握手をした。 「ロイ。呼び出してすまないね」 「いいえ、どうしました?ジョージ」 「亮が今隣のレストランLe Cirque でシンディと食事をしている」 「亮がニューヨークに来ているんですか?」 「ああ、本当は昨日の約束だったんだが、 飛行場で事件が有って記憶を失ったそうだよ」 「あはは、相変わらずだなあ。それで?」 「亮君にはワラントの件で来てもらった」 「なるほど亮はナチュラルグリルの 取締役だからな」 「彼の持ち株比率を上げようと思っている」 「それより我々の比率を下げようとしているんでしょう」 「亮にもう少しうちに仕事のウエイトを 上げてもらおうと思っていてね」 「なるほど・・・」 ロイは亮はどこの企業でも引く手数多だと思っていた。 「実はうちも本格的にアジアへのナチュラルグリル出店と 冷凍食品の販売を実行しようと思ってね」 「そうか、冷凍食品工場の拡張ですか」 「うん、セントラルキッチンと冷凍食品工場は 併用できるからね。亮が考えた真空冷凍 とその時出た窒素を農業に使うそうだ。 詳しくは亮に聞いてくれ」 「なるほどいずれにせよ。亮が収益の要ですね」 「では私どもに投資させてください」 「先ほど言った通り君の会社の 持ち株比率が上がるのを気にしているんだ」 「わかりました、我々は持ち株比率が 上がっても亮がいる限り 一切経営には口出ししない その代わり亮のやりたい事を やらせてくれないか」 ジョージはロイの言葉に驚いていた。 「幸い、息子さんのデビッドの会社R&Dの上場で うちの会社はかなりの利益がある。 気にしないで欲しい」 「ほんとうか?」 「はい、約束します」 ジョージとロイは握手をした。 ~~~~~~~ 「食事が終わりましたらバーで待っている」 ホストがジョージのメモを持ってきた。 「シンディ、モニカ、ケイト食事が終わったら バーで話をしましょう」 「わかったわ」 亮は三人との話よりジョージとの仕事を優先した。 「ジャネット、ブルックこれから 僕たち打ち合わせなんだ」 「はい、では明日」 亮は手を上げてチェックをすると ホストは首を振った。 「お支払いはジョージ様からいただいております」 「はい、ありがとう」 亮は三人を連れてバーに行くと ジョージとロイがお酒を飲んで待っていた。 「ジョージ、色々ありがとう」 「いや、スーパーモデルに会えて嬉しいよ」 ジョージがニコニコ笑っていた。 「ロイ、久しぶりだね」 亮はロイとハグをすると 亮はジョージにシンディ達三人を紹介した。 「こちらがナチュラル・グリルの社長 ジョージ・キャンベルです」 三人は笑顔でジョージと握手をした。 「健康冷凍食品のイメージ広告で シンディにお願いしたい、と思っています」 「亮の企画書は読んでいます」 シンディは微笑んでジョージに答えた。 「我々が開発している冷凍食品は 無農薬、無添加、低脂肪など体に良い 健康冷凍食品です。 健康的なスタイルを保っている モデルさんたちが協力してくれれば 商品のイメージアップになります」 「はい、承知いたしました。ジョージ 契約には条件が三つあります」 「なんでしょう?」 「1.広告に関しては亮がすべて管理する事」 「もちろんだ」 「2.私だけじゃなくてこの二人と 他のモデルも使ってもらう事」 「うんうん」 「3.そして利益の1部を世界の食糧難で 苦しんでいる 子供たちへの支援をする事」 「もちろんだ、それに関しては亮から聞いている」 「はい、そこに関しては僕の得意分野の種の供給 を考えています」 亮が種の話をした。 「種?」 ジョージが首を傾げた。 「日本の農業は世界でトップレベルです。 貧困の国に単に食べ物を贈るだけではなく 農業支援を考えています」 「あはは、ブロッコリーと同じだな」 ※ブロッコリーをリトアニアからアメリカへ持ち込み広めた人物である パスクァーレ・デ・チッコの甥が、007シリーズで知られる 映画プロデューサーのアルバート・ブロッコリーである。 「はい、そして砂漠化した世界を緑に変えて  緑が気温を下げるんです」 「わかりました、亮がいる限り私達モデルが協力します」 「それで詳しい契約は・・・」 「それは亮にお任せします」 シンディたち三人はニコニコ笑っていた。 「わかりました、弁護士に契約書を 作成させます」 「お願いします」 亮が言うと一緒に付いてきたジャネット言った。 「私、食べてみたい!」 「もちろんです試食も来てください」 ジョージがニコニコ笑った。 「はい、行きます」 亮は慌ててジョージとロイに ジャネットとブルックを紹介し 明日のライブの話をした。 「おお、素晴らしい!」 「ジョージもロイも時間があったら来てください」 「もちろんだ、人は沢山来るのかな」 「はい、500人以上来てもらわない」 「じゃあ、何が配るか・・・」 ジョージは何かを考えていた。 「そういえばグミできていますか?」 亮は世界でも人気の日本バージョンの グミの提案をしていた。 「あの歯ごたえの無い食物繊維グミか」 「はい」 「確かグレープはできているはずだ」 「ではそれを500個お願いします」 「わかった」 「用意する」 「僕は今から荷物を取ってきます。 では皆さんまた明日」 亮はみんなに手を振るとジョージは うれしそうに笑った。 ~~~~~~~ 亮はバーから出ると 白尾尚子に電話を掛けた。
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