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「尚子さん、亮です」
「えっ?・・・」
尚子はしばらく無言が続いた。
「誰?あなた電話番号が違うわ」
「待って、待って生きているんですよ。
亮は慌てて尚子のアパートの
住所を言った」
「生きていたんだ・・・」
尚子は3ヶ月前突然連絡が取れなくなった亮を
心配をしていた。
「事情を説明します。今ニューヨークに居ます」
「本当!すぐに会いたい」
「今人と会っているので今夜行って良いですか?」
「はい!どうしよう」
「彼がいるなら諦めますけど・・・」
亮はドキドキしていた。
「嘘よ!」
「なるべく早く来て!」
「了解です」
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亮は通りに出て美咲に電話をかけた
「今、時間が空きました。会えますか?」
「ホテルの部屋に戻っているわ」
「OKすぐに行きます」
亮がタクシーを拾うおうとして歩くと
二人の男が後ろから声をかけてきた。
「ヘイ、ジャパニーズ!」
その低い声で亮の背中に寒気が走った
そして背中に硬い物が押し付けられ
男たちは丁寧に話した
「そのまま、歩いてもらいましょうか」
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亮は男たちにビルの陰に連れて行かれ
ピストルを向けられ壁に押し付けられた
「明日の仕事から手を引いてもらおうか」
「手を引くって僕は何もしていない、唄うのはブルックだ」
「そうか、じゃあもう二度とブルック
の前に現れるな。さもないと殺す」
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シンディたちはまだバーにいて話をしていた
「シンディ、亮が変わったと思わないか?」
ロイが不思議そうな顔をしていた。
「はい、さっきも三人で話をしていたのよ」
「そうか、なんだろう」
「私、昔の亮は知らないけど凄く素敵な体だった」
ジャネットが言うと三人がジャネットの顔を見た
「ねえ、体だけ?」
ケイトがジャネット顔を近づけた
「あれは信じられないくらい凄かったわ。
1時間も○れたまま動かしてまるで
トヨタのエンジンの様だったわ」
「Ⅰ時間!」
ケイトは口に手をやって息を飲んだ。
「それに、亮はあそこから気が出るんだって」
ジャネットが顔を赤らめてうつむいた
「そんなに凄いの?」
「はい、子宮が爆発しそうだったわ」
シンディがため息をつくと
三人は見詰め合って笑い出した。
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「嫌です」
亮は手を挙げたまま返事をした。
「何だと!」
男の一人が返事をすると
亮はピストルを持って後ろに立っていた男
右手の手首を持ちそれをひねって
男の後ろに回った。
男はその痛みに耐えかねて前に
回って背中から地面に落ち
亮の動きの早さにもう一人の男の
ピストルの狙いが定まらないうちに
亮は倒れた男のみぞおちに全体重を
かけてかかとで踏みつけると
男は口から黄色い胃液を吐き出し、気を失った
「フリーズ」
もう一人の男が2メートルほど離れた
場所からピストルを両手で持ち
狙いを定めて大声で怒鳴った。
「ああ2メートルか、どうしようこの
トムフォードのタキシード汚れそう」
亮は両手を挙げて亮が困った顔をすると
その男は突然後ろから足を蹴り払われ
背中から倒れると男の後頭部を蹴られて
気を失った。
「おお」
亮は感嘆の声を上げた
「亮、何処へ行っていたのよ!」
「あっ、小妹(シャオメイ)」
亮の前に立っていたのは
Gパンに白いトレーナー姿の少女だった
「私ずっと飛行場で待っていたんだからね」
「ごめん、記憶を失っていた」
「マジ?」
「うん、マジ」
亮は飛行場での事件の話をすると小妹が怒った。
「馬鹿じゃない亮、それよりこの男どうして倒さなかったの?
簡単でしょう」
「あのさ、このスーツ80万円するんだ」
「ねえ亮、命とスーツどっちが大切なの?」
「あはは、命」
小妹は亮のお腹に突きを入れた。
「痛いなー」
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3ヶ月前、亮が香港の道場で毎日練習をしていた相手は
趙剛導師の孫の小妹で、劉文明の命令で
亮のガードをするように使さわれたのだった。
「小妹、どうしてここが?」
「色々探したのよ、それで今夜亮がここに来る
情報が入っていたので待っていたの」
「何処から情報が?」
「王大人から連絡があったし、
それに私のおじいちゃんは
国家安全部の幹部だもの」
「国家安全部?」
「はい、アメリカで言うCIA、イギリスのMI6」
「はいっ?ニューヨークにも諜報部員がいるの?」
「もちろん世界中にいるわ。東京にも」
亮は1月6日の事を思い出した
夜遅く非通知設定の電話がかかって来て
それは女性の声だった。
「あなたは一文字に命を狙われている、
殺し屋が向かったから気をつけて」
「あなたは?」
「とにかく明日気をつけて・・・」
1月7日の朝
亮は渋谷のマンション前で準備運動を
して走り出すと目の前に
白いスエット着た男に気づいて挨拶をした。
そして後ろから足音が迫ってくるのを感じ
亮がしゃがみこむと
ナイフを持った男の頭が吹き飛び
背中に痛みを感じた
「小妹、ひょっとしたら、あの時電話をくれたのは?」
「私たちは電話をしていないわ」
「そうか・・・」
亮は首をかしげると吹き飛んだ男の頭蓋骨が
飛んだ瞬間を思い出した
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