NEWグッド・ジョブ媚薬 3部 NY編

15/48
前へ
/48ページ
次へ
「ブルックも出来るよ。来て!」 「うそ!」 非常階段からブルックの部室を覗くと 急に明かりが点いた。 「誰か居る・・・」 「うん、多分ジャック・チョウの手下よ」 「もしかしたら、私の楽譜を盗みに・・・・」 「たぶん」 「どうしよう・・・」 「楽譜はどこ?」 「隣の寝室のベッドの下」 「OK」 そう言って小妹は窓の下のわずかな出っ張りに 足を這わせて歩いて行った。 ブルックもその後を付いていき寝室の窓の下に着いた 「どうやって入るの?」 「ごめんガラス割るよ」 「良いわよ」 小妹とブルックは目薬を目に点すと背中に 背負っていたバックから吸盤と ガラスカッターを取り出して 鍵の上のガラスに穴を開け、鍵を開けた 「ブルックお隣はどうしている?」 「まだ、一生懸命探している」 「ブルック、奴らが寝室に行きそうになったら ガラスを叩いて」 「了解」 小妹は窓を開けると頭から前転で床に手を付いて回り すばやくベッドに手を伸ばすとそれを見つけた。 「あった」 小妹が楽譜を手に取るとブルックが窓を叩いた。 「ああ、まずい」 小妹は隣の部室のドアの方へ目をやると 走り出し開いた窓から飛び出し 右手を窓の桟に手をかけ落下を防ぐと ブルックが立っている窓の下の出っ張りに足を乗せ 窓を閉めた。するとすぐに隣の部室の電気が点いた。 ブルックと小妹は非常階段のほうへ這って行くと ブルックは振り返った。 「ああ、明日の衣装を・・・」 「ダメよ、戻れないわ。諦めて」 「でも・・・・」 「亮に買ってもらって。うふふ」 「はい」 二人が非常階段に飛ぶと「カーン」 と言う大きな音が出てしまった。 「ん?」 ブルックの寝室を探っていた男が 窓を開けて顔を出そうとした。 「ブルック飛んで!」 「恐い!」 「大丈夫」 小妹はブルックの手を持って 3mの高さから飛び降りた アドレナリンを飲んでいた二人の筋肉と膝は 3mの高さからの重さに耐えるほどの パワーが出ていた 「うっ」 ブルックが声を出した。 「大丈夫?」 「なんともないから驚いちゃった」 二人はすぐに表通りに出るとタクシーを拾った ~~~~~~ 「シンディ」 亮はポケットからコンドームを取り出した。 「何?今から4P」 三人はニコニコ笑っていた。 「違います。このコンドームをアフリカの エイズ撲滅と少子化に無料で配布しようと思うんです」 「うん、気持ちが良いからみんな使うわね。 でもアフリカの人たちがもらった物を横流しするかも」 「それも狙いです」 「えっ?」 「誰かが貧しい人たちから買い上げれば、 彼らのところにお金が流れます」 「そうかそうね」 「でも資金は?」 「シンディ、NPO組織を作ってエイズ撲滅キャンペーンの ボランティアをしませんか?」 「そうか、NPOで資金を集めるのね」 「はい、横流しで買った連中が癖になって 正規商品を買ってくれれば  売り上げが上がります。そうすればうちの会社でも  生産コストが下がってNPOに安く商品を出せます」 「ある意味で広告宣伝になるわけね」 「それにアジア人は横流しの物を買わないですから」 「どうして?」 「サイズが合わないから」 「あははそうか、さすが」 シンディは手を叩いた。 「いいの?」 「もちろん、アメリカと言う国はセレブや有名人が ボランティアをしなくちゃいけないですからね。 僕はシンディがこのコンドームの 宣伝をしてくれば助かります」 「うれしい」 「ロイも仲間に入れてNPOを作りましょう」 「うふふ、喜ぶわよ。彼」 「では、僕は明日があるので帰ります」 「そうか・・・頑張ってね」 三人に見送られ尚子の待っている部屋に向かった。 ~~~~~~ 「ブルックは楽譜書き終わったかな?」 亮はブルックに電話を掛けた。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

108人が本棚に入れています
本棚に追加