NEWグッド・ジョブ媚薬 3部 NY編

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「ふー」 「お礼よ。この先はジャネットに怒られるわね」 「充分なお礼です。ありがとうございます」 亮は笑顔でブルックの顔を見た ブルックは亮の大きくなった下半身を見て笑った 「ところであなたが記憶を無くしたって本当?」 「はい」 「リー、ジャネットとは何処で知り合ったの?」 「昨日事件があった場所で声をかけられて」 「残念あのまま逃げなきゃ良かった」 「はあ」 亮はオドオドしながら聞いた。 「ジャネットに聞いたんですけど ブルックは経済学専攻ですよね。 将来はウォール街で」 「そうよそのつもり」 「そんなに美人なんだからモデル とか女優がいいのにね」 「実はミュージシャンになりたかったの、 でもなかなかうまく行かなくて 両親に反対されたし」 「そうか・・・」 「実はね」 ブルックは亮に言うのをためらったが 意を決して話した。 「実は私がジャック・チョウと付き合いだしたのは 彼が私をレコードメジャーデビュー させるって言ったからなの」 「それで?」 「でもそれはだめだった」 「嘘だったの?」 「ううん、やることはやってくれたんだけど・・・」 ブルックは目を曇らせた 「私、10曲以上歌が唄えないの」 「それってグラスボイス?」 「はい、たぶん」 「それに、あんなに努力しているジャネットが 何度もミュージカルのオーディションを落ちているの、  到底ミュージシャンで食べていくのはできない」 ブルックは手を上げたあきらめた顔をした 「ブルック、ちょっと歌を聞かせてくれる?」 「ここで?」 「はい、アカペラで」 「いいわよ」 ブルックのアカペラで歌う声は透き通った 声で聞く人を魅了する歌だった それを聞いて亮は考え込んだ 「そんなに上手いならプロになれると思うけど」 「うふふ、ありがとう。それだけで充分よ」 「いや、諦めちゃいけないと思う」 「本当にそう思う?」 「はい」 うなずく亮にブルックはうれしさの あまり亮にハグをした 「不思議ね、あなたがそう言うと 自信が涌いて来るわ」 ~~~~~~~~ 亮はボストンでの仕事が終り デビッドに空港に送ってもらった。 「父が株の件で会社の方へ来て欲しそうだ。 ニューヨークへ行ったら会社へ行ってくれ」 「わかった」 「それからうちの会社も上場する予定だ」 「みんな、仕事が順調で羨ましい、 僕はまだサラリーマンだし もう3か月間無職だ」 「ん?まだ自分の会社作っていないのか?」 「うん、忙しかったからね」 「じゃあ、三人で会社の株を持ち合う ロビンとの約束が果たせないな」 「日本へ戻ったら頑張ります」 「たまにはロビンにも連絡してやれよ、  あいつ友達が居ないからな」 ~~~~~~~~~~~~ 美咲と樫村は空港での監視カメラの 画面を見ていた。 「ここに亮が居るわ」 美咲がモニターを指差した。 「亮?」 「ああ、ごめんダンアキラが居るわ」 両替所に並ぶ亮の後ろ姿が見え お金とパスポートを差し出した時に 亮は走り出した 「ダンさんが走り出したわ、違う映像を出して」 先に居る二人の女性からバッグを 奪う黒人の強盗がモニターに映った 「ああ、襲われているのは日本人の女性よ、きっと」 「そうですね」 そこへ亮が強盗に飛び掛りあっという間に 倒し強盗の手を自分のネクタイで縛り上げた 「凄い逮捕術だわ」 「はい」 その強盗の仲間がトランクで亮の後頭部を殴った 「キャー痛そう、大丈夫かしら?」 亮は頭を振って強盗の仲間のお腹に蹴りを入れ 強盗が気を失うと亮は外へ向って走り出した 「これで外へ出て強盗の仲間を捕まえに行ったのね」 「そのようですね」 ~~~~~~~~~~~~~ 「リー。昨日話していた事本当?」 「ああ、ジャック・チョウと話をつける事?」 「そう」 「もちろんそのつもりです」 「うれしい」 「今日の夕方ジャック・チョウのいる 所へ案内してください」 「ありがとう、それで今から行くところ分かるの?」 「27CENTRAL PARK WESTです」 記憶の戻った亮ははっきりと住所を覚えていた 「あら、住所分かったの?公園の西側だから 高級アパートがある所だわ」 「では行って見ます」 「リーこれ私の電話番号ね、 出かけているからいつでも  電話をちょうだい」 ブルックは亮にメモを渡した。 「ありがとう」 「リー、タクシーに乗ればすぐだから」 「いや、セントラルパークを横切っていきますよ」 「だってさっきお金を受け取ったじゃない」 「ジャネットの大事なお金使えません」 亮は首を横に振った。 「うふふ、日本人ってそういう性格なの?」 「えっ?」 亮はトレーナーとスエットパンツを 脱いでパンツだけになると それを見ていたブルックは顔を赤らめた 「リーの筋肉凄い、スイマーかレスラーみたいよ」 「ありがとうございます」 ブルックの目は亮の股間の膨らみに行った。 「ねえ、私を見て興奮している?」 「いいえ、普通です」 「素の状態であの大きさ・・・」 亮の笑顔にブルックは胸を高鳴らせ 顔を赤らめたまま亮を見送った。 亮はセントラルパークを横切り 一時間ほどで27CENTRAL PARK WESTの マンションの前に着くと亮はフロントの女性に話しかけた 「こちらにシンディさん居ますか?」 「あなたのお名前は?」」 「アキラ・ダンです」 「お待ちください」 女性はシンディに電話をかけると返事が来た 「1402号室です」 「ありがとう」 亮は女性の目を見つめて言った 亮は半年ぶりのシンディとの再会に 脈拍はどんどん高鳴っていき 目の前がひかり輝いていた。 亮はエレベーターのドアが開くと早足で1402号室の 前に行きチャイムのボタンをおした 「はい」 ドアの向こうに懐かしいシンディの声が聞こえた ドアが開くとシンディは亮に飛びつき長いキスを続けた 「会いたかった」 「僕もです」 シンディは亮に抱きしめられて違和感をおぼえた 「良かった、来てくれたんだ」 「約束ですからね」 「亮、身体が大きくなっていない?」 「かなり筋肉が付きました」 「鍛えたの?」 「はい、みんなを守るために」 「さっきの違和感はこれね」 亮は約4ヶ月間香港の山奥で 毎日トレーニングをして カンフーの特訓を受けた事、 昨日トランクで頭を殴られて 記憶を失ったことを話した。 「それでお金は?」 「財布もパスポートも無いんです」 「そう、現金あるかしら?」 シンディは財布から1000ドルとカードを渡した。 「いいえ、女性名義のカード使ったら 捕まってしまいますから  1000ドルだけお借りします」 亮が立ち去ろうとするとシンディが止めた。 「何処へ行くの?」 「はい、昨日の夜お世話になった 人に会う約束しているんです。 それとスマフォが無いと困るので 契約がしたいんですけど」 「スマフォのプリペイド契約は パスポートいるわよね・・・」 「ああ、そうか」 「そうだ、私の以前使っていた プリペイド電話が有ったわ」 シンディがもってきたのは懐かしい 折り畳みのノキアの電話だった。 「まだ、残金が残っているはずだし コンビニでプリペイドカードを買って  課金できるわ」 「わかりました、これ借りて行きます。 用が済んだら連絡します」 「そう、そう言えばこっちに来る 約束が4月9日だったのにどうして 4月8日の昨日来たの?」 「それは4月5日に香港からボストンから 着いてニューヨークに用が有ったので 昨日1日早くJFK空港に着いたんです その時に記憶を失ってしまって」 「うふふ、それでお世話になった人ってどんな人?」 「ニューヨーク大学へ行っている女の人です」 「あら、私の後輩だわ」 「はい」 「それで何処までお世話になったの?」 シンディは笑顔で亮に聞いた 「あ、それは・・・・記憶が無かったから」 「あら、昨日の夜の記憶が無くなったの?」 「いえ、覚えていますよ・・・」 亮はオタオタしているとシンディが笑って顔を近づけた。 「うふふ、もし記憶が戻らなかったらどうなったのかしら」 「そのまま彼女と住んでいたかもしれませんね」 「うふふ、相変わらずもてるわね」
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