NEWグッド・ジョブ媚薬 3部 NY編

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「あん、リーの触り方いやらしい」 「ごめん」 亮は慌てて手を引いた。 「わかりました」 亮は携帯を持ってバーの外に出て電話をかけた 「王大人、亮です」 「おお、亮か今どこだ?」 「ニューヨークです。漢方薬を売っているところ 探してもらえませんか?」 「チャイナタウンにあるから私のお店に来なさい」 「わかりました」 「すぐに行きます」 亮はブルックのところへ戻った。 「ブルックどうにかなりそうです、そのグラスボイス」 「えっ?どうして?」 亮とブルックは王大人の中華料理店に行った。 「王さんいらっしゃいますか?」 お店に入ると亮は王大人を呼ぶと 大人が奥から出てきて亮を抱きしめた。 「亮、元気だったか」 「はい、ただちょっとトラブルが有って・・・」 亮は記憶を無くしてパスポートも お金もカードも失くした事を伝えた。 「それは大変だったな」 「はい」 「すべてこちらで用意する、 食事をして待っていてくれ ところで銀行の口座番号わかるか?」 「わかりますJPモルガン・チエースの・・・・」 亮はブルックのいる席に戻ると 中国人女性が亮のところへ来て写真を撮った。 「失礼します」 「はい」 「ブルック何食べます?」 「この店、ジャックとよく来たから食べるのは 決まっているの」 「チャーハンと青椒肉絲とワンタンスープスープ」 「へえ、美味しいもの知っているんだね。 僕はツォ将軍のチキンとワンタンスープが良い」 食事が終わると亮のテーブルの上に赤いパスポートと 黒いカードが置かれた。 「それ何?」 「僕のパスポートとクレジットカードです」 「えっ?」 亮は立ちあがると王大人が来た。 「では行ってきます、 これを作っていただいていいんですか?」 「大丈夫さ偽物だが本物だ。あはは」 亮は大人に頭を下げるとブルックのところへ行った 「ブルック。ジャック・チョウのところへ行きましょう。 会社はどこですか?」 「この近くよ」 「すぐにアポイントを取ってください」 「大丈夫なの?」 ブルックは不安な顔をしていた。 「大丈夫です。信じてください」 30分後、二人は6番街の ジャック・チョウの事務所へ入った そこは、高層ビルのワンフロアーを 占有する大きな会社だった 二人が社長室に通されると ソファーに40歳近くの細身のメガネをかけた男が タバコを口にくわえて座っていた。 ブルックを見るとうれしそうに笑ったが 亮の顔を見ると急に険しい顔になって睨みつけた 「久しぶりだな、ブルック。時間が無い、何のようだ?」 亮とブルックがソファーに座るとジャックが亮を指さした。 「ジャック、彼はリーさん」 「チャイニーズか?」 「いいえ、日本人です」 亮が言うと怪訝な顔をした。 「日本人なのにリーか、変なやつだ。それで用件は?」 「もう私に付きまとわないで欲しいの」 「何を言っている、このままじゃ売春女に 成り下がるだけだ俺のところへ戻って来い」 「私はどうしても歌手になりたいの」 「いつまで馬鹿な事言っている、 このまま俺の愛人でいて大学を卒業したら うちの会社の取締役で雇ってやる」 「いや、もう嫌なの。私の夢はミュージシャン」 「あはは、6曲しか歌えないミュージシャンが何だ! 大人しく他人の物じゃなくて 俺の物を舐めていりゃ良いんだ」 ジャック・チョウは品無く話すとブルックの頭をつかんだ 「やめろ!」 亮はジャック・チョウの手をつかんだ 「いけませんね、女性を乱暴に扱っては」 「なんだお前は!ブルックやったのか?」 「やっていませんよ。どんな大きな会社の社長でも 男は品が無くてはいけません」 「うるさい!」 ジャック・チョウは亮の手を払った 「おい、日本人。このビルから出た後の命の保障はしない、 ニューヨークは恐い街だぞ」 「はい、わかっていますよ」 亮が笑うとジャック・チョウは凄い形相で 睨みつけた 「チョウさん、賭けをしませんか?」 「なんだ?」 「ブルックが10曲歌えたら 開放するって言うのはどうですか?」 「あはは、手を抜けば歌える」 「では、手を抜かないように観客をいれましょう。 もし観客からブーイングが出たら ダメという具合で」 「もし観客がサクラだったら?」 「では観客を500人入れましょう。 あなたは場所を用意してください」 「わかった、ブルックそれで良いのか?」 「いいわ。もしダメだったら私はあなたの 奴隷になるわ。好きにして」 「いい覚悟だ、じゃあ明日の夜8時ブロードウはいに  改装中のホールがあるそこを借りておく」 「あ、明日?」 ブルックは悲鳴を上げた。 「時間をかけて仕込みをされては困るんでね」 「わかりました、明日の8時に」 出ていく亮とブルックの二人の後 姿をみてジャック・チョウは 不適な笑みを浮かべていた。 「リー、どうしよう?」 「大丈夫、必ず10曲歌えるようにします」 「良くわからないけどありがとう」 「ブルックは唄う歌を決めてください」 「わかった」 「それと、今夜ジャネットと三人で食事をしましょう」 「OK、アパートに戻って楽譜取って来るわ」 「はい、気を付けて」 ~~~~~~~~ 亮はロイに電話を掛けた。 「ロイ、亮です」 「亮、久しぶりだな。心配していたぞ」 「すみません、命を狙われていました」 「知っている、FBIの友人に聞いた」 「迷惑かけませんでしたか?」 「いやいや、儲けさせてもらったよ。 友子がホローしてくれた」 「良かった」 「まあいい、いつ会える?」 「ニューヨーク来ていますので、 明日の夜8時にブロードウエイ  に来てください。友人がライブをやります」 「なんだかわからんが、亮に会えるなら行くよ」 「はい、お待ちしています」 ~~~~~~~ 亮は漢方薬を買ってジャネットの部屋 前で待った。 そこのジャネットが帰って来た。 「あら、ブルックは?」 「ちょっと楽譜を取りに自分の部屋に戻っています」 「ええっ、鍵を預けたのに・・・」 亮はブルックから預かった鍵を手渡した。 「持っているなら入っていれば良かったのに・・・」 「いいえ、女性の部屋ですから・・・」 亮がジャネットの部屋に入り 漢方薬と道具を並べて作業をしていると ジャネットが鼻をつまんだ 「何?この臭い?」 「漢方薬です」 「カンポウ?」 「はい、自然の動物や植物から作る薬。 そしてこれがその材料」 「そう、何か身体によさそうね」 「それで手伝ってもらいたいんですけど」 「何をすればいいの?」 「薬研で薬をつぶしてください」 ※薬研(ヤゲン)とは昔からある薬をすりつぶす臼 今でもスパイスを潰すのに東南アジアで使われている 亮は生薬の種類を分け重さを量って ジャネットに薬を渡すとローラーでつぶした。 「これ面白い。あはは」 「ありがとう助かります」 「ところで何を作っているの?」 「ブルックの薬です」 「何、何?」 ジャネットは手を止めて亮に聞いた。 「声が出る薬です」 「凄い。私も欲しい」 「良いですよ」 亮はジャネットにジャック・チョウとの話を説明して 客を呼ばなくてはならない話をした。 「面白い、私も友達に声をかけてみる」 ジャネットはスマフォのインスタとツイッター ライブの記事を載せた。 「お願いします、早く作って夕食を三人でしましょう」 「はい」 「僕がご馳走します」 「リー記憶が戻ったようね、こんな仕事が出来るんだから」 ジャネットは颯爽とした亮の態度に気がついて言った。 「はい、記憶が戻りました」 「名前は?」 「アキラ・ダンだけどみんなリョウと呼んでいる」 「OK、リョウね」 「はい」 ジャネットは仕事をしながら時々亮に 身体を近づけキスをした。 「ダンの仕事は何?」 「薬剤師です」 「へえ。どうしてニューヨークに来たの?観光?」 「友達のところに仕事で」 「ところで何処のホテルに泊まるの?」 「まだ。決めていないです」 「じゃあ、私のところに今夜も・・・・」 亮は少し考えて答えた。 「ごめん、ホテル探します」 「そう、記憶が戻らなければ良かったのに・・・」 ジャネットは悲しそうに亮を見つめた 「あっ、ブルックに連絡しなきゃ」 「私がしようか?」 「ちょっと聞きたい事があるから、 ジャネットが電話してください」 亮はジャネットに気を使った。
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