▶︎79kg 困惑のツーサイドキス

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「途中まで一緒に帰るか」 高木さんが歯を見せて笑う。 「家、方向一緒でしたっけ?」 「ん?送っていくよ」 「悪いからいいですよ」 「大丈夫。久々に定時で暇だし」 「今日はデートないんですか?」 「今日は休息日だからゆっくりするんだよ」 内心休息日ってなんなんだろう、と思ったけれど、口には出さなかった。 彼女たちとのデートが休息日ではないのなら、どんな日として(くく)っているのだろうか? 「疲れたからコーヒー飲まね?あそこの店で。奢るよ」 確かに疲れた。甘い、ハニーカフェラテでも飲みたい気分。けれど今はダイエット中。 飲むならブラックコーヒーか、無糖の紅茶しかない。 「奢っていただかなくて大丈夫です。けれど確かに、コーヒーが飲みたい気分です」 「決まり。行こう」 私は店でブラックコーヒーをほっと一息、飲もうと決める。 「なにがいい?」 カウンターの前で高木さんが訊ねてきたけれど「自分で買います」と断る。だけど 「そういうのいいから。コーヒー一杯くらいちゃちゃっと奢らせろ。面倒くさいから」 と、私に向けて手を払う仕草をしながら言うので 「じゃあ、ありがとうございます。ホットのブラックコーヒーで」 と言うと、高木さんが少し驚いたような顔をした。
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