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「高木が店で売れ残ったやつ、また全部買っていってくれたよ」
高木さんはしょっちゅう来るし親しげに話しかけてくるので、店長もお客さまだけれど高木さんに対して呼び捨てで呼び、友達のように接していた。
「彼女の一人にでも分けるんですかね」
「多分、そうだろうな」
閉店時間になり、店長と二人で店内の清掃作業をする。私はショーケースを布巾で拭いていた。上から拭いていき、一番下の段に取り掛かるところで腰を屈む。
ビリビリビリビリ
「あ、なんだ今の音は」
「て、店長・・・」
「どうした?」
「す、すいません。本当にすいません」
涙声になり必死で謝る。私はまた、手で破けたスカートを押さえていた。
「もしかして・・・」
「また破いちゃいました」
私は破けたスカートを履いたまま、店長に向かって土下座した。
「いいからもう私服に着替えろ。大丈夫だから」
店長に土下座したあと、私は店長の言葉に甘えて私服に着替えに行った。
「店長、ごめんなさい。本当に本当にすいません。私、今日からダイエットします!もうご迷惑おかけしません!」
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