▶︎80kg 破れたスカート

4/4
735人が本棚に入れています
本棚に追加
/433ページ
最近さすがに太り過ぎているかも、と自覚があった。歩く時太ももが擦れすぎて痛く、赤く腫れてしまうこともあった。   「絶対に痩せるのでクビにしないでください!」 再び店長に向かって深々と、額に地面を擦り付ける勢いで土下座をする。 「土下座するのをやめてくれ。クビにする訳ないだろう。佐藤がいないとこの店は回らない」 店長が私の頭に手をポンと乗せてきた。 「明日は定休日だからゆっくり休め。火曜日までに新しい制服がくるか分からないが発注しておく。多分間に合わないだろうから、次の勤務は白いブラウスとズボンを持ってきてくれ」 「はい、分かりました」 目尻に少しだけ溜まった涙を、肉付きの良すぎる親指で拭う。店長の優しさが身が染みる日だった。 もうこんな惨めで情けない思いはしたくない。 なにより店長にこれ以上迷惑をかけたくない。 絶対、絶対痩せてやる。 私のお尻に火がついた。
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!