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千尋くんは俺の唇に応えるようにキスを返し、耳や首筋に舌を這わせていく俺をずっと目で追っていた。 ベルトを外し、千尋くんのモノを口に含む。まだ硬くなりきっていないモノを丁寧に愛撫していく。千尋くんの手は俺の頭を撫でて、じっと俺を見下ろす。 跪いて、唇と舌でじっとりと熱を持つモノを舐め、千尋くんを見上げる。千尋くんの澄ました顔が僅かに乱れ、喉元が動き、甘い声が漏れる。 その姿に俺は妙な興奮を覚えた。 「千尋くん……いれて。激しく突いて……」 女性みたいには濡れない自分の体が、自分の心が、何かの間違いで生まれ変わらないだろうかと願った事もある。そうしたら、千尋くんに愛されたかも知れないと絵空事を胸に浮かべた。 それでも優しく触れる指先や、俺の中で硬くなる千尋くんのモノは俺が男であれ女であれ、警察官であろうと変わらない。 この人の在り方が、存在そのものが、俺を肯定してくれる。 千尋くんの上に乗って腰を振る。ぶつかり合う柔らかさのない体が、より密着感を増して千尋くんの体にしがみ付く。
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