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あれから10年もの月日が経った。
右手には一つの鞄。
そして、左手には、愛しい人の手が繋がれている。
「この季節になると思い出すね」
「そうだな」
「あの時のあなた、顔が真っ赤になってた」
「そりゃそうだろ。決死の告白だったんだから」
「うん、すごく嬉しかった」
隣にいる彼女は、あの頃と変わらない笑顔を浮かべていた。
僕が毎日見つめていた大好きな笑顔だ。
そんな彼女に一つ質問をする。
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