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15歳の夏。
離れの窓を叩き割って、外に出た。
学校以外で外に出してもらえるのは、ほとんど無かったから、なんだ、こんな簡単に外に出られるんだ、と、笑ってしまった。
母屋に行き、血相を変えた戸籍上の親に向かって、私は冷めた声で言い放った。
「高校は、県外のところに行く。アパートは安くて古くていいからそれだけ契約してほしい。最初だけ20万くれればあとはバイトして自分で生きてく。仕送りも何も要らない。高校卒業したら養子縁組を解消して。この家に、私は必要ないでしょう。情けで生かされても惨めなだけだから。あなた達には最低限の義務だけ果たしてもらえればあとは自分でやる。あなた達にとってなんの不利益もないと思うし私にとっても最善の道だと思うんだけど。」
あっさり、了承された。
「愛してやれなくてごめん」
その言葉は、きっと一生忘れない。
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