特に理由もなく人を助けて死にかけました。

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入学式も来なくていい。 戸籍上の親にそう言って、私は南堂高校に入学した。 最初は、県外から来た特待生って立場に難癖をつけられた。 さすがに毎日毎日喧嘩売られたから、心底ウザったくて。 男女構わず叩きのめしたよね。物理的に。 「馬鹿は喧嘩もまともに出来ないの?そんなんで私を潰せるとでも思った?暴走族だろうがヤクザの子供だろうが、女に負けたなんて言えないよね、情けない。相手して損したわ。」 放課後なんて本当に勘弁してくれよ。 こっちは生活する為にあくせくバイトしてんだよ。 普通のバイトじゃほら、税金とか色々あるから。 年齢不詳にして、ネオンギラギラの繁華街で働いてますよ。 繁華街ブラブラしてたら、なんかいいスーツ着たオジサンに声かけられて。 「お前、うちでナンバーワン目指さねぇか?」 って言われて。 「大丈夫?私高校生なんだけど。」 って正直に言ったら。 「んなもん誤魔化せ。」 そんなもんだった。 一年経った。南堂高校に入って一人で生きるようになって一年。 成績はもちろん一位。 CLUB Ginaの、ナンバーワン。
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