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突然現れたカレに目が離せなくなった真由。
しかし、カレの方は「呼んだ?」との問いかけに真由が返事をしないことに不安を感じたようで、表情が翳りを帯びた。しかし、その様子はまるで役者のようでキマって見え、真由は、社内でドラマの撮影でもしてるのかと考えた。
……今朝、朝礼で撮影があるって言ってたっけ?
気を取り直したのかカレが、
「ねぇ、キミがボクを呼ん……」
「誰がお前なんか呼ぶか、ボケ!! ハァハァ……」
憂いを帯びたカレの声に被せて、かなり荒ぶったイケボな声が飛んできた。
真由とカレは同時に後をふり向いた。
「え?」
「えっ?」
そして、真由はまた、扉が開く音がしなかったことに気がついた。
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