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「佐野真由、いいか、騙されるんじゃねぇぞ。コイツはアクマなんだ」
テンシが真剣な面持ちで言う。しかし、真由は、イケボでも言葉使いの荒いテンシの言う言葉をイマイチ信じられなかった。
と言うか、そもそも二人の身なりが変。
真由は、冷静になって頭の中を整理しようとした。
ところがアクマは、すかさずアイドル顔負け、満点の笑顔で真由を振り返り言った。
「真由チャン、ボクを呼びだしたこと思い出してくれた?」
アクマからの言葉に真由は戸惑った。
「私がアクマ……アクマさんを呼び出した?」
「もちろん」
アクマは嬉しそうにうなずいている。反対にテンシは、チッと舌打ちして再び鋭い眼差しでアクマを睨む。
「お前、真由を誘導するのは止めろ」
「うるさいなぁ。テンシのくせに邪魔しないでよね」
「はぁ?! なんだと? お前が簡単に人間を騙すからだろう」
「ちょっと、人聞きの悪いことを言わないで」
二人は言い合いを始めてしまった。
ちょっと待って……
あぁ、頭がついて行かない。さっき、アクマは私が呼び出したって言ったよね? 何かの間違いでしょ…… 私アクマを呼び出してないもの。そんな記憶……
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