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真由は思い切って言い合い中の二人に声をかけた。
「あの、ちょっとお二人さん。私の話を聞いて。私、どう考えてもアクマさんを呼び出した記憶がないと、思うんだ……ケ……ド」
段々と真由の言葉が尻窄みになってしまう。アクマがショックを受けたような顔をして、今にも泣き出しそうになったからだ。真由の心にムクムクと罪悪感が芽生える。真由は叫んだ。
「アクマさん、ごめんなさい。私が無意識のうちに呼ん……」
「真由、それ以上言うんじゃねぇぇぇ!!」
テンシが大きな声で真由の声をかき消した。真由はその大声に驚愕した。
すると、アクマが、
「ちょっと、テンシさん。そんな大きな声を出すから真由チャンが怯えちゃったじゃないか」
そう言うとアクマは頭のツノを撫でたり、背中の翼を動かしながらイライラしたようにつぶやいている。
「こっちはさっさと契約を取って早く帰りたいのにさ……」
思わず本音が出てしまったアクマ。ハッとして、
「ボクは、こんなに悲しい思いをした真由チャンを早く楽にしてあげたいだけなのに…… あんたさ、テンシなら真由チャンにもっと優しくすればいいじゃないか」
アクマがテンシを睨む。
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