ショック

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ショック

 アクマの言葉で真由の置かれた状況を思い出した。  真由の仕事は備品管理が主だ。社内からの備品注文を受け、伝票を作成しこの備品庫から商品をピックアップして伝票と一緒に配ってまわる。重い時や大量発注の時は台車で社内を移動する。事務仕事の様にデスクワークだけではないので、真由の性に合っていると思っている。  部を異動する男性の先輩から仕事を引き継いだ初めの頃は、地下3階でする作業に孤独を感じ泣きたくなることもしばしばあった。コピー用紙を何ケースも運ぶような時は、要領を掴めず腰を痛め、その痛さや辛さから隠れて泣いたこともあった。次第に元気を無くしていく真由。それに気づいた同期二人が励ましてくれ、憂さ晴らしの飲みに誘ってくれるようになった。それから、重労働がある時は、男性社員の力を借りても良いとの手はずを課長に掛け合ってくれもした。 真由の仕事は格段にやりやすくなった。同期二人には、とても感謝している。  さっきまで真由は、備品の在庫チェックをしていた。そこでショッキングなことが起こったのだ。
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