ショック

2/4
前へ
/19ページ
次へ
「真由、思い出したのか?」 「真由チャン……」  テンシとアクマが心配そうな顔で真由を見る。真由が泣き出したからだろう。 「う……ん。テ……ンシ……と……アク……マが……来た……から……ビックリし……て……忘れ……てた」  真由の目から、後から後から涙がこぼれ落ちる。二人の登場が強烈すぎたから、頭のどこかにおしやって忘れたかったのかもしれない。 「真由、そんなに泣くな。眼鏡が曇ってしまっただろう。曇ったままじゃ世の中キレイに見えないぞ」 「う、う……ん」  真由は、眼鏡を外すとハンカチを取り出したが、激しくしゃくりあげると床にしゃがみ込み泣き崩れた。 「あーぁ。テンシさんたら真由チャン泣かせちゃって。神様に言いつけちゃおっかな」  アクマがあきれた顔をしてテンシを見る。 「うるせぇ。アクマのクセに何言ってるんだ。元はと言えばお前のせいなんだぞ」 「はて、なんのことでしょう」  アクマが悪びれることなく、可愛く小首をかしげる。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加