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愛する
駿は、無防備だ。
今もソファで白い腹を出して眠りこけている。
誰にも見せたくないからハイネックを着ろと言っているのに、いつもだらしなく襟の伸びたTシャツを着て、ピカピカの鎖骨をさらけ出している。
「あー、全くもう!」
アルバイトから帰った櫂は、眠っている駿の首筋にチュッと口付けた。
我慢しろって方が無理だ。
「ん……あ。おかえり、櫂」
目を擦って駿が櫂の髪に手を置く。
「ただいま」
櫂は、そう言って駿にキスをした。
「ご飯、食べた?カレー作ったんだけど…」
「え?マジで?!食べる食べる!」
さっき賄いのピラフを食べたけれど、駿が作ってくれたのなら、別腹だ。
鍋ごと食べる、と言ったら駿は嬉しそうに笑ってくれた。
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