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家に帰ってから駿を少し観察した。
アクセサリーを着けているのは、見た事がない。
単に持っていないからなのか、着けたく無いのかどちらなんだろう…
「なあ、駿」
「うん?なにぃ?」
最近夢中になって読んでいるバトル漫画から目を離さずに駿が答える。
「アクセサリーとか興味ある?」
「アクセサリー?誰かにあげんの?」
そういう質問を彼氏にするだろうか…普通。
駿は、とことん天然に出来ているらしい。
「うん。彼氏にね」
「あ、オレ??」
駿は、漫画から目を離して顔を上げ、自分を指さした。
「なんで急に?俺、欲しいとか言ったっけ?」
本当はサプライズにしても良かったのだが、駿が果たして喜んでくれるのか疑問だった。
「ペアリング、欲しいなあって思って」
「ああ、そういうのね。いいね」
そう言って、また漫画の世界に戻って行ってしまう。
悔しいけれど、駿の楽しみは奪いたくない。
仕方なく櫂もスマートフォンを開いて人気のリングを探した。
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