89人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
翌朝は二人とも、朝食ギリギリまで寝てしまい、バタバタと身支度をして、朝食を食べ、旅館を出発した。
「なんかあっという間だったなー」
駿は、旅館を振り返り、少し寂しそうな顔をした。
今日も良く晴れていて、海はキラキラと宝石を散りばめたように光っている。
「また来よ」
櫂が言うと「うん、そうだね」と駿は笑った。
駅前の1番大きな土産物店に寄って、お土産を物色する。
「せっかくだから」と駿はみんなに自分達に、と沢山買い込んでいる。
櫂も今日の思い出にと思い、駿と二人分の貝殻のキーホルダーを買った。
程よくダサい感じが可愛い。きっと見る度に「ダッセー」と笑い合える。
1人でニヤついていると「お待たせ」と駿が顔を覗き込んだ。
「何ニヤついてんの?」
「あ?いや、楽しかったなって思ってさ」
「そうだね」
「駿にいっぱい迫られたし」
ふざけて言うと、駿は耳まで真っ赤になった。
「そ、そういうこと言う?」
「あはは、悪い」
もうー!と怒った顔もやっぱり可愛くて、どうしようもなく愛してるな、と思った。
最初のコメントを投稿しよう!