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再び瞼を開き神島を見遣る。高柳の瞳には神島の他に、ツンツン頭と美人顔が映っていた。高柳は唖然として目を見開いた。
「君ら、どうやって──」
「分かんね。気が付いたらここにいた」
「私も気が付いたらここに」
「まさか、生き返ったってこと?」
「そうみたいだな。ふっふっふ。そうか、俺は不死身になったぜ!」
「違うよ、葛城さんも室井さんも左手の甲を見てください」
神島のその言葉に高柳があることに気付いた。
「私のハートマークが二つになってる」
「俺のも、スペードが一つ消えてるぜ」
それを聞いた高柳が怖じ気立ち、両腕を掻き抱く。そして徐に呟いた。
「生き返るために一つ使ったんだとしたら。俺たちのこのマークは、俺たちのライフを表しているとしたら?」
「それって……私たちは今、ゲームの世界にいるってこと?」
「だとしたら、俺たち二回まで死ねるな」
そう言って、葛城はガッハッハと笑っていた。
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