消えた生徒たち

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 きっとみんなで外へ行ったのだ、人間が消えるはずない。そう考え、いや、そう信じて室井は体育館を飛び出した。  校舎の中を走った。二年生の階も一年生の階も見た。職員室にも行ったが人っ子一人いない。夢でも見ているのか、訳がわからず学校の外へ出た。  いつもは交通量の多い基幹道路は、封鎖でもしているのかと思うほど一台も走っていない。商店街に来ても、店はオープンしているが店主も買い物客も見当たらない。ゴーストタウンと化していた。  ピィ~ヒョロロロ──  鳥の鳴き声に気付いた室井は空を仰ぎ見た。たった一人となってしまった世界で初めて自分以外の生き物を発見した。 「鳥だ……待って!」  室井は無我夢中で追い掛けた。鳥は、発電所のある鉄塔へ向かって飛んでいく。その手前にある三階建ての廃墟ビルへと降り立った。ビルの入口に辿り着いた室井は、朽ち果て地面に倒れているドアを跨ぎ中へ入った。
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