11人が本棚に入れています
本棚に追加
謎のマーク
「それでお前は鳥を追いかけていたのか。それにしても不思議だぜ。俺たち三人とも同じ場所に来るなんて」
「ここは何なの? どうして私たちだけになっちゃったのよ」
「分かんねっ。でも仲間がいて良かったぜ。お前何て言うの?」
「私は室井よ」
「室井なに?」
「──美玲」
〈なによこいつ。随分ぐいぐい来るわね〉
「俺は葛城勝利ってんだ。ヨロピコ」
〈うざ!〉
「で、そちらの寡黙そうな君は?」と室井が訊く。
「俺は高柳陵」
「陵くんね。よろしく」
「僕も、仲間に入れてもらえるかな……」
殺風景な入口から、か細い声が聞こえた。三人は声のした入口へ同時に顔を向ける。そこには小柄で線体質な少年が立っていた。彼もまた学ランの胸に花紙で作られた花を付けていた。
「お、おう勿論だ! また一人増えたぜ。仲間は多いに越したことはないぜ」
四人目の男子は、微かに微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!