謎のマーク

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「ねえ君、こっちにいらっしゃいよ」と、室井は手招きをする。 「お前、名前は?」葛城がぶっきらぼうに訊く。 「僕は、神島(かみしま)太郎と言います」 「神島か。俺は葛城(かつらぎ)。こいつは高柳で、こっちの美人さんは美玲ちゃん」 「ちょっと! 馴れ馴れしく呼ばないでよ」 「いいだろ、これから仲良く生きていかなきゃいけないんだぜ、俺たち」 「だとしても、さっき会ったばかりでしょ!」 「ところで神島くん。君はこの世界をどう思う?」切れ長の目を更に細めた高柳が訊いた。 「どうって……僕たち以外は誰もいない世界。別の次元に来てしまった感じがします」 「別の次元? 見た目に反してSFみたいなことを言うんだな。非現実的だね。俺はそうは思わない」 「じゃあ何だと思うの? 陵くんの考え、凄く興味深いわ」室井は二つの拳を顎の下に引き寄せる。 「俺は、集団催眠術だと思う。俺たちは催眠術をかけられたんだ」 「何だそれ? そんなわけねぇだろ。だいたい何で俺たちだけなんだよ。共通点でもあるってぇのか?」 「あ! それ! それじゃない? 私たちには共通点があるのかもよ」
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