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図書委員長と食堂イベ①
(廊下
「……あー、ったく!なんでオレらがあんなとこ行かなきゃならねぇんだよ!!!」
「ま、まあ。落ち着いて暁くん……」
「ですぜですぜ、室屋様が騒がしいのはお嫌いなのご存知でしょ???」
「……チッ!!」
「イダぁっ!!殴るのやめてクレメンス!!」
暁がここまで機嫌が悪い、……いや堂園を殴るのはいつものことか…?まあいい、とりあえず激おこであるのはこれから向かう場所に原因がある
そこは「食堂」
ただの食堂だとなめてはいけない。王道学園の食堂、すなわちそこは戦場と同義
親衛隊持ちの生徒に近づく、拝む、写メる、様々な目的を持つキャット&ドーベルマンが集うカオスだ
委員長組は全員もれなく親衛隊持ちである
いくら親衛隊に嫌悪を持っていない彼らであってもワーワーキャーキャー黄土色の声で騒がれるのは不快を感じずにはいられなかった
「……はぁ、そもそも堂園があんなこと言い出さなければ……」
(数分前
【たまには食堂へ繰り出しに行こうぜ】
この一言で他の委員長は沈黙した
そしてお互い顔を見合わせる。堂園へ顔を向けると
「パス」「却下」「ご、ごめんなさい」 「……」
「ちょっと、皆さん拒否するのが早いて。室屋っちとかもはや聞いてすらいないやん」
「渡はいつものことだろ。んで?どーしてまた急にそんなとち狂ったこと言い出してんだ堂園」
「ふっふっふ。今日の食堂は一味違うんですよ?とーーーっても面白いことがおきますんで行きましょうよ♪」
「おもろいこと?別に興味が無いね」
「しょ、食堂はファンの人達に会えるからいいけど…その、生徒会の人達に会うのは少し嫌というか…………」
「いいじゃないか。たまには食堂で食べるのも悪くないかもしれないよ?」
「「はァ/はい!?」」
パタンと読んでいた本を1回閉じ、みんなの方へ顔を向ける。蓬莱くんと暁くんはあんぐりと口を開けてた
失礼だね。俺がそんなに言わなそうに見えるのかな?チュロス突っ込んであげようか?
「室屋くん、食堂に行きたいって言うなんて珍しいね。」
「あはは、俺は堂園くんが言う面白いことに興味があるだけだよ。面白いことは好きだからね」
「室屋様ならそう言ってくれると思ってた♡さぁ!皆さん食堂へLET'S GO!!」
この5人は室屋中心で回っていると言っても過言ではない。室屋には圧倒的な母性……失礼、リーダーシップがあるからだ
彼がやれといえばやるし、行かないといえば行かない。今回の場合室屋が賛成してしまったため、行きたがっていない3人も従わざるおえなかった
という成り行きで、食堂へ向かっているのである
「まさか渡が賛成するなんて……うるさいの嫌いだし、絶対断ると思っとったのに…」
「くっくっく、まあ全ては室屋様の言う通りってね♪なあ室屋さ……あれま、本読んでいらっしゃる」
我らが図書委員長室屋様は本を読んでいるようだ。もちろん歩きながら
天使時雨たんは読んでいる内容が気になったらしく、必死に背伸びをして中身を見てみるが並んでいるのは訳の分からぬ単語の羅列、どこの言語さえ分からない
彼はしょんぼりとため息をついた
_______その瞬間、周りにいたタチはどこかへ消えたようだ。どこかは言わないでおく
「あらまあ相変らずの破壊力…」
「はァ……何語かさえ分からなかった……勉強不足、だね……」
「気にしなくてええよ時雨、この場合は渡が規格外なだけ。こればっかりは仕方ない」
「蓬莱くん、だよね。これは室屋くんが凄すぎるだけ!そうでも思っとかないとプライドズタズタなっちゃう……」
時雨たんの両親は片方が外交官、そしてもう片方は言語について調べている学者なんだとか。そのため幼少期から彼も様々な言語に触れている……のに、分からない言語があって少々悲しいようだ
頑張ってくれエンジェル。
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