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三月二十五日 ハナカイドウ(花海棠)
拝啓
お誕生日おめでとう
恥じらいながら
なかなか僕の告白に
顔を薄紅色に染めながら
色々言葉を濁していた君。
どうせ駄目なのかと諦めた時、君から
嬉しい言葉を貰って僕はとても幸せだなと思う。
敬具
三月二十五日、
僕はその手紙に封をして机の中へとしまった。
今日は彼女と出かける日。
男というのは予定を立ててその通りに
動いてしまう所がある。
でも彼女はそれを受け入れてしまうから痛しかゆしといった
ところだろうか。
それでも彼女が喜ぶデートコースを考えるのは楽しい。
今日は喜んでくれるか僕はドキドキしながらドアの鍵を閉めた。
邪魔するな花海棠のよな人の眠りを覚ます小鳥たちよ
了
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