三月二十七日 ブライダルベール(ギバシス・ペルシダ)

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三月二十七日 ブライダルベール(ギバシス・ペルシダ)

拝啓 お誕生日おめでとう 不躾な言葉しか思い浮かばな僕にとって君との出会いは 雷鳴が鳴り響く程の強く鼓動を打たれ、このまま 命をおとしてもいいと思った程だった。 ダンスを一緒におどった時は、君の ルビーの瞳に惹きつけられ ベランダでの一時の憩いの時間 ー忘れない一時だった。 rururururuと鳴いた小鳥の声に僕は勇気をふり絞って・・・                             敬具 三月二十七日、 僕はその手紙に封をして机の中へとしまった。 元来僕は静かな人間だ。 寡黙といってもいいかもしれない。 だが、彼女といると自然と自分が 思ってもいなかった言葉がでてくる。 そしてそれが楽しいものだと彼女から教えられた。 ありがとう。そして今日はブライダルベールの花束を持って ポケットに小箱を忍ばせているのだ。 幸せを一心に受ける君の笑み僕は贈ろうブライダルベール 了
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