オマエハクルナ

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拒絶された魂は、どこにも行き場がありません。 そのうち私の身体の肉は腐り落ち、身体は骨だけになりました。それなのに、私の魂は骨に定着し、どこにも行けません。 これは生きていると言えるのでしょうか? 私は娘を愛しただけ。なのにこの仕打ちはどういう事でしょうか? 200年以上私はこの世に存命しました。 お願い、死なせて。いい加減死なせて。 その時、頭上から屋根が落ちてきました。 自宅もだいぶ傷んでいたのでしょう。 その衝撃で骨になっていた私の身体は粉々になりました。 やっと死ねる。そう思った時、甘いんだよと娘の声がしました。 私の魂は、粉々になった骨1つ1つに振り分けられ、結局死ねませんでした。 オマエハクルナ。娘に拒絶されている限り、私は永久に生き続けるのでしょう…。
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