オマエハクルナ

娘との関係は、徐々に最悪な物になっていきました。初めて娘を叩いた日、娘は私を睨み付け、叩き返してきました。何するんだよクソババア！と言われた時、私の中で何かが弾けました。娘に叩かれた頬の痛みを感じながら、私は娘を罵倒しまくりました。
｢大事に育ててやったのに！どうして私の愛が伝わらないの？！子供はね、親の敷いたレールの上を走るのが幸せなのよ！言う事聞きなさいよ！｣
｢ウゼーんだよクソババア！子供は自分の生きたい様に生きるのが幸せなんだよ！あんたさえ居なければ、私の人生はもっと幸せだった！！あんたのせいで私は周りからヒソヒソされる事が多かった！あんたなんて、死ねばいいのよ！｣
私は娘を何度も叩きました。他人の死を望む様な子供に、どうしてなってしまったのでしょうか？こんな筈じゃなかった。娘はもっと優しく美しい女の子に育つ筈だったのに。
気付いたら娘は鼻血を出して呻いていました。私が驚いて後ずさると、クソババア！と叫んでヨロヨロと自分の部屋に引き込もってしまいました。
夕飯の時間になっても出て来ません。ご飯よとドア越しに声をかけても出て来ません。返事すらありませんでした。きっと私の事を完全無視しているのでしょう。
私はドアの前に食事を置いて、そっとその場を離れました。
翌朝、その食事は手付かずのままでした。
それはその筈です。娘は既に死んでいたのですから。