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桜海学園は、地元ではそこそこ有名な進学校である。私立ではあるものの、学園長の好意により奨学金等の待遇が豊富で、成績さえ秀でていれば裕福でない人間も歓迎される。
それ故に子を持つ親も、その子どもも、水色のブレザーにピンク色の桜をモチーフにした校章の、桜海の制服を着ることを夢見ている。
そんな桜海学園高等部に、今年とある男女の生徒が入学した。
女子の方は、小学生のときから通知表は常に満点。品行方正で、教師からの評価もかなり高い。ツリ目でキツそうな印象ではあるが、その美貌は数多の男を虜にして来た。
一方、男子の方の成績は下。常に赤点は免れられない。運動神経は切れているのでは……と思うくらいに鈍く、体育の授業ではほぼ100%の確率で怪我をしている。タレ目で愛嬌のある彼の唯一の特技は、料理や裁縫と家庭的で、誰かを憎んだり恨んだりすることとは全く無縁な温厚な少年だ。
完璧女子生徒・尾取まくり、身長136cm。
落ちこぼれ男子生徒・皆頼優、身長192cm。
彼らは、色々なことが凸凹な、まるで女王と下僕のようなカップルだった。
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