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今日は卒業式。
みんなを代表して、登壇する俺は正しく制服を着ていったほうがいいだろう。
学生服のボタンは一番上まで留めて、
勿論、中には真っ白なカッターシャツを。
ベルトも派手なものではなく、無難な黒。
おっと、頭髪も重要だ。
整髪料を塗りたくるのは愚行。
自然体が一番だ。
櫛でさっととかしたら、完璧だ。
鏡で出来映えを確認していると、背後に学生服が見えた。
「ねぇ、父さん。なんで昔の制服着てるの?」
「そりゃあ、学校に行くときは制服だろ?」
「……生徒はね」
慌てて、スーツに着替えた。
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