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こんなにこんなに尽くしてくれた子に対する言葉かよ、しんどくなったとかって。あーもーこんな健気で良い子をさぁ、思い返したらまーた腹立ってきたわ。
それでも……はぁ、まだ好きなんでしょ?」
その言葉の続きに、あんなヤツやめときなよと言いたいはずだ。顔が物語ってる。レナは優しくて素直だから、時折眩しく感じてしまう。
「へへ、うん。まーそゆかんじ」
「卒業するまでは片思いって言ってたけど。その気持ちとさ、ほんっとにリアルに蹴り付けられそうなわけ?」
「うん、それは大丈夫。卒業するまではモラトリアムで、あとはちゃんと気持ちにケジメつけるって約束したしね」
「そうだぞー、いつまでも振り回されんなー?
大学行ったらもっといろんな人いるわけだし他に良いのが山程見つかるって!」
「そうだね。ところでレナはミサキ君に貰わなかったの、第二ボタン。てっきり貰うと思ってたけど」
「え、まーだって大学同じだし、それにボタンあってもしょうがないかなって」
「そっかーレナっぽいかも。あっねぇ、こんなの知ってた?」
「ん?」
「第二ボタンってね、戦時中の詰襟制服のときが始まりなの。
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