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「えっ? 鳥? でっかい鳥が話してる!!」
「何……言っているん……ですか……」
青年は走ってきたみたいで、息荒く、汗が滴り落ちている。
「えっ? だって、鳥!! 鳥が!!」
瑠梨は驚きのあまり、言葉が出てこない。
「あれは姫様が飼っている鷹のター坊じゃないですか」
「鷹にター坊って、そのまんまじゃん」
「いや、それは俺が前に言いましたからね? それでも、姫様がター坊にするって聞かなかったんじゃないですか」
青年は呆れていた。
「は? 何のこと?」
だけど、瑠梨にはわからない。青年が自分のことを知っていることも、不思議で仕方ない。
「え? 姫様、本当に大丈夫ですか? というか、こんなところで何しているんですか? 早く行きますよ」
青年は優しく瑠梨の身体を起こすと、いつの間にか身に着けていた黒色に花柄の着物に付いた土を、払っていた。
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