第一章・偶然なのか必然なのか

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「げ、ヤバイ!! 寝坊したぁぁぁぁああーーーー」 ベッドから飛び起きて、時計を確認すると時刻は午前七時三十分。 寝起きの思考回路が停止している頭の中で、時間を逆算する。 バスが七時四十五分発で最寄りのバス停まで徒歩三分、ってことはあと十二分しか残ってない! ベッドから飛び降りて、バタバタッと足音を立てながら急いで制服に身を包み、寝癖が酷い髪の毛をゴム一本で結い、前髪を整える。 ドタバタと階段を降り、一階の洗面所で洗顔、歯磨きを済ませ、玄関へ向かった。 「行ってきまぁーーーーす」 「瑠梨(ルリ)、朝ごはんは?」 母・奈津美(ナツミ)の呑気な声が玄関に響く。 「いらないっ。あっ。バス来ちゃう!!」 靴を履き終えた瑠梨は、勢い良く玄関を開けた。 「ちょっと、瑠梨、その格好って……」
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