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家を出て、バス停まで数十メートルのところに停車中のバスを発見。
「まじ!!」
全速力で走ったが間に合わず、バスは無情にも行ってしまった。
「はぁはぁはぁはぁ……」
息を整えながら前を見ると、一台のバスが止まっていた。
「あれ? あっ、そっかぁ。バス、遅れてたんだ。ラッキー」
バスに乗り込むと、少し違和感があった。この時間は満員でもおかしくないくらいに混むのに、誰一人乗っていない。
「お客さーん、ドア閉めるよー」
「あっ、はい」
乗降口に立っていた瑠梨の疑問は、その一言で消えてしまい、運転手が見える前の席に座った。
バスは、いつもの見慣れた景色のルートを辿っていく。
「お客さん、高校生?」
「あっ、はい」
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