第一章・偶然なのか必然なのか

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那奈と未羽は、瑠梨と澪に聞こえるようになのかわからないけど、わざわざ近い場所まで来ると、大きな声で話し出す。 「はぁー、もうー、マジで最悪なんですけどぉ」 那奈の言葉に、未羽は同調するように話した。 「ほんと!! 同じタイミングで寝坊なんて。アイツと同じバスとか、まじで最悪。同じ空気なんて吸いたくないのにね」 未羽はチラッと、瑠梨を見る。 「もしかして、あれじゃない? 寝坊しても一生懸命急いで学校行く私可愛いとか、思ってるんじゃない?」 那奈は小馬鹿にしている物言いだ。 「あーそれ、何? 藤堂(トウドウ)先輩にアピール?」 「そんな小賢しいことしてたんだ。さすが、藤堂先輩に告られるだけあるわー」 「「アハハハハハーーーーーーー」」 那奈と未羽は、藤堂 陽翔(とうどう はると)の取り巻きだ。 藤堂陽翔は、頭も良くて学年一位、スポーツ万能で昼休みの体育館は、バスケットボールをしている藤堂陽翔目当ての女子が集まっている。 見た目はどこかのアイドルグループにいてもおかしくないほど整っていて、二重瞼なのに切れ長の目は可愛さも格好良さも兼ね備えていた。
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