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「ちょっ……」
「澪!! ほっておこう!!」
怒りを顕にし、那奈と未羽の方に怒鳴りに行こうとする澪の腕を掴み、瑠梨は必死に止めた。
「でも、あんな言われ方したら腹立つじゃん。自分が憧れてる先輩から、告られなかっただけなのにさ」
「仕方ないよ。藤堂先輩はうちの高校のアイドルみたいなもんだし。先輩本人に自覚ないみたいだから、こんなことになっちゃうんだしさ……」
ニカ月前、瑠梨は藤堂陽翔に告白されていた。それは、本当に突然だった。
だけど、瑠梨は、藤堂陽翔のことをその時は知らなかったし、恋愛感情なんてないから、断った。
その後、澪に聞いて、藤堂陽翔が有名人であることを知ったのだった。
「でも……瑠梨はいいの?」
「わたしは藤堂先輩の告白は断ってるし、そのうち消える噂でしょ」
「まあ、瑠梨がそういうなら……」
澪の怒りは収まっていない様子だが、とりあえず那奈と未羽に直接何かをすることはないようで一安心していた。
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