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「でも、何か……ごめん」
「えっ? なんで、瑠梨が謝るの?」
「あ、いや……」
瑠梨は、気まずそうに顔をそらした。
「ごめん、わたしがさ、あんな話したからだよね? 全く気にしてないから。そんな暗くならないでよ」
澪は笑顔だ。
藤堂陽翔に告白された時に、澪は陰ながら応援していて、好意を持っていることに瑠梨は気づいてしまった。
だから、この数カ月、藤堂陽翔の話題が出るたびに瑠梨は心痛めていた。
澪は、男勝りなところはあるしショートヘアだけど、クリっとした大きな目に小さな口唇、小顔でほっそりとしたスタイルはモデルのように美しいと瑠梨は思っていた。
なのに、平凡、地味といわれてもおかしくない自分が藤堂陽翔に告白されたということだけで、辛い思いを抱えていた。
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