卒業証書を失くしたら

卒業式の、その後で。

なんであんな約束しちゃったんだろう、
もしこのまま一生返してくれなかったら
どうしよう、なんて後悔は
その後すぐにしょーちゃんがかき消してくれた。

あの日、家に帰ってお母さんに
「友達が預かってくれてるみたい。」と
報告すると、度叱られるかと思いきや
「そう。」と拍子抜けするほど軽い返事だった。

今思えばあのとき卒業証書を失くしたのは
必然だったのかもしれない。

何ひとつロマンチックじゃない、
へんてこな卒業式の思い出だけど、
今となっては何よりの思い出。

卒業証書はまだもうちょっと預けておくね。

-終-