卒業証書授与のとき死ぬほど緊張するよね

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卒業証書授与のとき死ぬほど緊張するよね

今日、私は中学を卒業した。 この学校で初恋を経験した。 友達との喧嘩も、部活での悔し涙も、 そして大好きな人達との別れも…。 そんな思い出深い学校を後にして 家に帰って気づいた。 卒業証書が、なーーーーーーーーーーい。 さっきまでの感慨深い私のバカ、バカ。 それどころじゃないじゃん、 浸ってる場合じゃないじゃん、 お母さんに怒られる。 思い出せ、思い出せ…。 もちろん受け取ったところまでは覚えている。 黒い筒の入れ物に入れて、教室まで戻った。 教室で先生や友達と感動的なサヨナラをしたあと 多分…多分、昇降口まで持っていた…はず…。 昇降口で後輩たちと写真を撮ったりして… あぁ、もうそこから持っていた記憶がない。 「ねぇ、そういえばあんた、卒業証書は?」 お母さんの鋭い槍が飛んでくる。 「あの、すみません、それが、ごにょごにょ…。」 「今すぐ学校に探しに行きなさい!!!」 「はいっ!!」 私はおそらく鬼の顔になっている お母さんを見ずに家を飛び出た。 お母さんだって、帰り車に乗ったときに 気付いて言ってくれたら良かったじゃん…と 少しムッとしたけど、人のせいにしたら バチが当たりそうだから取り消した。
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